第1章|コードってなに?

みんなーっ!ここからスタートだよ!
この章では、そもそもコードって何なの?というところを、いちばんやさしいところから見ていきます。むずかしい記号はまだ一つも出てきません。読み終わるころには「なんだ、そういうことか」となっているはずです。

コードは、日本語でいうと「和音」

コード(Chord)=和音。つまり、2つ以上の音を同時に鳴らしたもののことです。それだけです。

音を1つずつ順番に鳴らしていくとメロディになります。その音をタテに重ねると和音、つまりコードになります。音楽は「メロディ(横)」と「ハーモニー(タテ)」と「リズム(時間)」の3つでできていますが、コードはその「タテ」の担当です。

聴き比べてみよう

同じ「ド・ミ・ソ」の3音でも、バラバラに鳴らすとメロディ、同時に鳴らすとコードになります。

ちなみにコード(chord)の語源は、「調和」を意味するアコード(accord)から来ています。ギターの弦を意味する「コード(cord)」や、電気の「コード(cord)」とは別のことばです。

なぜ、音を重ねると気持ちいいの?

ここが面白いところです。実は「ド」を1つ鳴らしただけでも、その中にはすでに「ソ」や「ミ」がこっそり鳴っています。

楽器で1つの音を鳴らすと、その音(基音)だけでなく、その2倍・3倍・4倍……の速さで振動する音が同時に小さく鳴っています。これを倍音(ばいおん)といいます。低い「ド」を鳴らしたときの倍音は、こんな順番で並びます。

何倍?出てくる音コメント
1倍(基音)いま鳴らした音そのもの
2倍1オクターブ上のド
3倍ここでソが登場!
4倍さらに1オクターブ上のド
5倍ここでミが登場!
6倍ふたたびソ

気づきましたか? 「ド」の中には、もともと「ソ」と「ミ」が入っているのです。だから「ド・ミ・ソ」を一緒に鳴らすと、けんかせずにキレイに溶け合う。これがコードの正体です。

数字でいうと、とてもシンプル
  • オクターブ(ド↔上のド)=振動数の比が 1:2
  • 完全5度(ド↔ソ)=比が 2:3
  • 長3度(ド↔ミ)=比が 4:5

比が単純なほど、きれいに響きます。逆に、となり同士の音(ド↔レ)は比が複雑になるので、ぶつかった感じ=にごりが出ます。「きれい」「にごる」は感覚の話ではなく、数の話だったわけです。

実験:きれいな重ね方と、にごる重ね方

※「にごる=ダメ」ではありません。にごりをわざと使うのがジャズやゲーム音楽の面白さです(第3章・第7章で扱います)。

いちばん基本の形は「3つの音」=三和音

コードの基本形は、音を1つ飛ばしで3つ積むだけ。これを三和音(さんわおん)/トライアドといいます。

「ド」から始めるなら、ド → (レをとばして)ミ → (ファをとばして)ソ。これで「ド・ミ・ソ」。これがC(シー)というコードです。

同じルールで、「ファ」から始めればファ・ラ・ドF、「ソ」から始めればソ・シ・レGこの3つを覚えるだけで、もう伴奏ができます。

明るい/暗いを決めているのは、まん中の音だけ

ここが、この章でいちばん大事なところです。

明るいコードCは「ド・・ソ」。
切ないコードCmは「ド・ミ♭・ソ」。

ちがいは、まん中の音が半音下がっただけ。下と上の音(ドとソ)は、まったく同じです。たったこれだけで、曲の表情がガラッと変わります。

交互に押して、耳で確かめてみてください

用語だけ、先に覚えてしまいましょう
  • メジャーコード(長三和音)=いちばん下の音から数えて、まん中の音まで半音4つぶん。明るい。Cのように、アルファベット1文字で書きます。
  • マイナーコード(短三和音)=まん中の音まで半音3つぶん。切ない。Cmのように、小さい m をつけて書きます。

この「半音いくつぶん離れているか」という考え方を音程(度数)といいます。第2章のメインテーマです。

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コードネームの読み方

コードネームは、[ルート音]+[性格]という組み立てになっています。たったこれだけのルールです。

先頭の大文字アルファベットがルート音(根音/こんおん)。そのコードの土台になる音のことです。そのうしろについている小さな文字や数字が、そのコードの性格を表します。

コードネーム読み方どんな性格?鳴らす
Cシー明るい・素直・安定
Cmシーマイナー切ない・落ち着いた
C7シーセブン次に進みたくなる・ブルースの香り
CM7シーメイジャーセブンおしゃれ・ふわっと浮いた感じ
Csus4シーサスフォー宙ぶらりん・じらす
Cdimシーディミニッシュ不安・ミステリー
Caugシーオーギュメントふしぎ・宙に浮く
Cadd9シーアッドナインきらきら・透明感
C6シーシックスやわらかい・レトロ

※この9種類は、TOKYOミュージックカラー音楽教室のオリジナル教材「はじめてのコード」で最初に覚えていただく9つと同じです。中身のしくみは第3章でひとつずつ解説します。

ルート音は12種類あります

ルート音になれるのは C・D・E・F・G・A・B の7つと、その半音上げ(♯)・半音下げ(♭)。合わせて12種類です。Cのうしろにつく記号のルールは、どのルート音でもまったく同じ。C のパターンさえ覚えれば、残り11個は自動的に分かります。

アルファベットと、日本語・ドイツ語の音名

楽譜には「ハ長調」「イ短調」といった表記も出てきます。これは音名を日本語で言っているだけです。吹奏楽やオーケストラではドイツ語もよく使います。

英語(コードで使う)CDEFGAB
ドレミ(イタリア語)ファ
日本語
ドイツ語ツェーデーエーエフゲーアーハー

※ドイツ語では「シ」を H(ハー) と書き、B(ベー) は「シ♭」を指します。ここだけ英語と食い違うので注意してください。「ハ長調=Cメジャー」「イ短調=Aマイナー」と覚えておくと、教室の教材もすぐ読めます。

コードは「押さえ方」ではなく「音の集まり」

最後に、いちばん誤解されやすいポイントを。

ギターのCと、ピアノのCと、サックス3本で吹くC。押さえ方も見た目もまったく違いますが、鳴っている音は同じ「ド・ミ・ソ」です。

つまりコードは「指の形」ではなく「音の集まりにつけた名前」。ギターのコード表を丸暗記していると、この事実にはなかなか気づけません。でもここが分かると、コード表がなくても自分でコードを作れるようになります

だから、同じコードでもいろんな鳴らし方ができます

「ド・ミ・ソ」を「ミ・ソ・ド」の順に並べかえても、まだCです。これを転回形といいます。バラして順番に鳴らせばアルペジオ(分散和音)になります。どちらも第2章で扱います。

第1章のまとめ

この章で覚えたこと
  • コード=和音=複数の音を同時に鳴らしたもの
  • 音を重ねてきれいに響くのは、倍音がもともと含まれているから
  • 基本の形は1つ飛ばしで3つ積む=三和音(トライアド)
  • 明るい/切ないは、まん中の音が半音違うだけ
  • コードネーム=[ルート音]+[性格]
  • コードは指の形ではなく、音の集まりにつけた名前

次の第2章では、「1つ飛ばしで積む」をもっと正確に説明するための道具、度数を身につけます。ここを通ると、コードを自分で組み立てられるようになります。

コードを実際に弾いてみたい方へ

読んだ内容は、楽器で鳴らした瞬間に自分のものになります。TOKYOミュージックカラー音楽教室では、ギターもピアノも開講しています。「コードだけ習いたい」「作った曲を見てほしい」というご相談も歓迎です。オンラインレッスンにも対応しています。

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