みんなーっ!ここからスタートだよ!
この章では、そもそもコードって何なの?というところを、いちばんやさしいところから見ていきます。むずかしい記号はまだ一つも出てきません。読み終わるころには「なんだ、そういうことか」となっているはずです。
コード(Chord)=和音。つまり、2つ以上の音を同時に鳴らしたもののことです。それだけです。
音を1つずつ順番に鳴らしていくとメロディになります。その音をタテに重ねると和音、つまりコードになります。音楽は「メロディ(横)」と「ハーモニー(タテ)」と「リズム(時間)」の3つでできていますが、コードはその「タテ」の担当です。
同じ「ド・ミ・ソ」の3音でも、バラバラに鳴らすとメロディ、同時に鳴らすとコードになります。
ちなみにコード(chord)の語源は、「調和」を意味するアコード(accord)から来ています。ギターの弦を意味する「コード(cord)」や、電気の「コード(cord)」とは別のことばです。
ここが面白いところです。実は「ド」を1つ鳴らしただけでも、その中にはすでに「ソ」や「ミ」がこっそり鳴っています。
楽器で1つの音を鳴らすと、その音(基音)だけでなく、その2倍・3倍・4倍……の速さで振動する音が同時に小さく鳴っています。これを倍音(ばいおん)といいます。低い「ド」を鳴らしたときの倍音は、こんな順番で並びます。
| 何倍? | 出てくる音 | コメント |
|---|---|---|
| 1倍(基音) | ド | いま鳴らした音そのもの |
| 2倍 | ド | 1オクターブ上のド |
| 3倍 | ソ | ここでソが登場! |
| 4倍 | ド | さらに1オクターブ上のド |
| 5倍 | ミ | ここでミが登場! |
| 6倍 | ソ | ふたたびソ |
気づきましたか? 「ド」の中には、もともと「ソ」と「ミ」が入っているのです。だから「ド・ミ・ソ」を一緒に鳴らすと、けんかせずにキレイに溶け合う。これがコードの正体です。
比が単純なほど、きれいに響きます。逆に、となり同士の音(ド↔レ)は比が複雑になるので、ぶつかった感じ=にごりが出ます。「きれい」「にごる」は感覚の話ではなく、数の話だったわけです。
※「にごる=ダメ」ではありません。にごりをわざと使うのがジャズやゲーム音楽の面白さです(第3章・第7章で扱います)。
コードの基本形は、音を1つ飛ばしで3つ積むだけ。これを三和音(さんわおん)/トライアドといいます。
「ド」から始めるなら、ド → (レをとばして)ミ → (ファをとばして)ソ。これで「ド・ミ・ソ」。これがC(シー)というコードです。
同じルールで、「ファ」から始めればファ・ラ・ドでF、「ソ」から始めればソ・シ・レでG。この3つを覚えるだけで、もう伴奏ができます。
ここが、この章でいちばん大事なところです。
明るいコードCは「ド・ミ・ソ」。
切ないコードCmは「ド・ミ♭・ソ」。
ちがいは、まん中の音が半音下がっただけ。下と上の音(ドとソ)は、まったく同じです。たったこれだけで、曲の表情がガラッと変わります。
この「半音いくつぶん離れているか」という考え方を音程(度数)といいます。第2章のメインテーマです。
耳で覚える練習は、アプリのほうが早いです
会員アプリ「マイミュージックカラー」には、音あてゲーム・リズムゲーム・音楽辞典・メトロノーム・チューナーが入っています。この章の「明るい/切ない」の聴き分けも、遊びながら身につきます。登録は無料です。
メールアドレスまたはLINEで、1分ほどで登録できます。コードネームは、[ルート音]+[性格]という組み立てになっています。たったこれだけのルールです。
先頭の大文字アルファベットがルート音(根音/こんおん)。そのコードの土台になる音のことです。そのうしろについている小さな文字や数字が、そのコードの性格を表します。
| コードネーム | 読み方 | どんな性格? | 鳴らす |
|---|---|---|---|
| C | シー | 明るい・素直・安定 | |
| Cm | シーマイナー | 切ない・落ち着いた | |
| C7 | シーセブン | 次に進みたくなる・ブルースの香り | |
| CM7 | シーメイジャーセブン | おしゃれ・ふわっと浮いた感じ | |
| Csus4 | シーサスフォー | 宙ぶらりん・じらす | |
| Cdim | シーディミニッシュ | 不安・ミステリー | |
| Caug | シーオーギュメント | ふしぎ・宙に浮く | |
| Cadd9 | シーアッドナイン | きらきら・透明感 | |
| C6 | シーシックス | やわらかい・レトロ |
※この9種類は、TOKYOミュージックカラー音楽教室のオリジナル教材「はじめてのコード」で最初に覚えていただく9つと同じです。中身のしくみは第3章でひとつずつ解説します。
ルート音になれるのは C・D・E・F・G・A・B の7つと、その半音上げ(♯)・半音下げ(♭)。合わせて12種類です。Cのうしろにつく記号のルールは、どのルート音でもまったく同じ。C のパターンさえ覚えれば、残り11個は自動的に分かります。
楽譜には「ハ長調」「イ短調」といった表記も出てきます。これは音名を日本語で言っているだけです。吹奏楽やオーケストラではドイツ語もよく使います。
| 英語(コードで使う) | C | D | E | F | G | A | B |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ドレミ(イタリア語) | ド | レ | ミ | ファ | ソ | ラ | シ |
| 日本語 | ハ | ニ | ホ | ヘ | ト | イ | ロ |
| ドイツ語 | ツェー | デー | エー | エフ | ゲー | アー | ハー |
※ドイツ語では「シ」を H(ハー) と書き、B(ベー) は「シ♭」を指します。ここだけ英語と食い違うので注意してください。「ハ長調=Cメジャー」「イ短調=Aマイナー」と覚えておくと、教室の教材もすぐ読めます。
最後に、いちばん誤解されやすいポイントを。
ギターのCと、ピアノのCと、サックス3本で吹くC。押さえ方も見た目もまったく違いますが、鳴っている音は同じ「ド・ミ・ソ」です。
つまりコードは「指の形」ではなく「音の集まりにつけた名前」。ギターのコード表を丸暗記していると、この事実にはなかなか気づけません。でもここが分かると、コード表がなくても自分でコードを作れるようになります。
「ド・ミ・ソ」を「ミ・ソ・ド」の順に並べかえても、まだCです。これを転回形といいます。バラして順番に鳴らせばアルペジオ(分散和音)になります。どちらも第2章で扱います。
次の第2章では、「1つ飛ばしで積む」をもっと正確に説明するための道具、度数を身につけます。ここを通ると、コードを自分で組み立てられるようになります。
読んだ内容は、楽器で鳴らした瞬間に自分のものになります。TOKYOミュージックカラー音楽教室では、ギターもピアノも開講しています。「コードだけ習いたい」「作った曲を見てほしい」というご相談も歓迎です。オンラインレッスンにも対応しています。